「アセスメント」、聞いたことはありますか?
ソーシャルワークや福祉の勉強をしているとよく出てくる言葉の一つです。
アセスメントがきちんとできていればいい支援ができます。
でも、わたしはアセスメントが大事というのはわかっていても、
具体的にどうすればアセスメントができるようになるのか
そもそも何を見ればいいのかわかりませんでした。
なのでなかなか支援が進まず、上司からもダメ出し。
でも上司からはダメな理由を具体的には教えてもらえない…。
こういう経験ありませんか??
今回は働き始めた時に知っておくと役立つアセスメントのポイントや方法について書いていきます!
アセスメントのポイント
そもそもアセスメントって何でしょうか?
ざっくり言うとこの2点です。
・相談者をよく知ること
・相談者をとりまく環境をよく知ること
ソーシャルワーカとしてアセスメントする上では、二つ目の環境をよく知ることがとても大切です。
環境をよく知り、変化を起こすことがソーシャルワーカーの専門性です。
よし!アセスメントしよう!!
そんな時、どういうポイントを大切にしていますか?
項目としては、相談者のニーズ、生活歴、成育歴、家族関係・・・色々ありますよね。
たくさんある分、働き始めた時はしっかりアセスメントしないと!!と意気込んでしまいます。
ですが、教科書によく出てくる項目を順番に埋めていくようなアセスメントは、情報を集めることに必死になって大切なことを見落としてしまいます。また、相談者からすればとても事務的な感じを受けるんじゃないでしょうか。
そこで、今わたしがアセスメントでポイントにしていることはこの4つ↓↓
- 相談に来たきっかけはなんだろう?
- 何に困ってるんだろう?
- 結局どうなったら安心/ハッピーな状態になるんだろう?
- そのために何が必要だろう?
ニーズを把握して、支援を組み立てて・・・という言葉だけではわかりにくいと思うのですが、
こういったことをポイントとしてアセスメントすると、よく教科書に載っているようなポイントがおさえられると思います♪
よく教科書に載っているアセスメントのポイント
・基礎情報(名前、年齢、性別、住まい、家族構成など)
・やりたいこと/困っていること(ニーズ)
・どのようなサポートを受けたいか?なぜ支援を受けようと思ったのか?
・好きなこと/得意なこと
・嫌なこと/苦手なこと
・成育歴(子どもの時好きだったもの/育った環境/サポートしてくれた人など)
・生活状況(生活リズム/食事/日中の過ごし方/夜の過ごし方/休日の過ごし方など)
・家族関係(家族の中で話しやすい人がいるか?キーパーソンは?)
・周囲の人との関係(家族以外で気軽に話せる人、プレッシャーをかけてくる人はいる?)
・心身の健康状態(心と体の健康具合/障がいや疾病)
・支援者と話す時の態度(緊張/リラックス/イライラ/それはなぜ?)
アセスメントの方法
では、次にアセスメントの方法について。
みなさんはどうやってアセスメントしていますか?
わたしはこういう方法でアセスメントしています↓↓
アセスメントの方法
・話をきく
・普段の様子をよくみる
・記録をとる
・アセスメントシート(基礎情報や成育歴を書いてもらうシート)を記入してもらう
それぞれ詳しくお伝えします!
話をきく
普段どんな方法で話をきいていますか?
「話をきく」といっても、誰にどんな方法で行うか、色々なパターンがありますよね。
話をきく人
・相談者ご本人
・ご家族
・その他(学校や職場の人、友人、他の支援機関など)
話をきく方法(メリット/デメリット)
・個室できく
(込み入った話がしやすい/緊張しやすい、お互いの距離が近くなりすぎる場合がある)
・他の人がいる中できく
(気軽に話せる/込み入った話がしにくい)
・作業をしながらきく
(無理に話そうとしなくていい雰囲気になる/雑談程度の話題に留まる)
・お茶をのみながらきく
(リラックスした雰囲気になる)
ソーシャルワーカー自身が置かれている状況でできること、できないことはあると思いますが、
話をきく相手の方がリラックスして、落ち着いて話せる方法を選ぶといいですね。
普段の様子を見る
「普段」の「様子」って何!?
働き始めた時は、よくわかりませんでした。
でも先輩は
普段と違うね~
どこが!?
な毎日でした。
「普段」を知るのは時間がかかりますが、焦らず関わっていけば違いがわかってくると思います。
わたしはこんなところを見ています!
- 体調
- 表情
- 話し方
- 姿勢
- 緊張度
- 集中力
体調は考え方や行動にも影響を及ぼします。(例:体調が悪い時はネガティブな考えや行動をしてしまう)
また、話し方は声の大きさやトーン、スピードから緊張しているか怒っているかなど、
心の状態を読み取ることができます。
体調、緊張度、集中力はそれぞれレベルを作っておくと「普段」がよりわかりやすくなると思います。
例)今日の緊張度はレベル7(10段階評価)で高いな・・・
記録をとる
記録は後で見返すために取る
既に使っている記録用紙がある方はそれを基に、ない方は予め記録する項目を決めておきましょう。
記録する項目として日にち、時間、場所、参加者、話した内容は必須です。
その他、アセスメント内容や目的にもよりますが、体調、睡眠時間、排せつ、服薬など、表を作成し記録しておくと今後の支援に大いに役立つことがあります。
ネットで「生活記録表」など検索すると出てくるので参考にしてみてはいかがでしょうか。
アセスメントシート(基礎情報や成育歴を書いてもらうシート)を記入してもらう
年齢、住まい、成育歴など、ひとつひとつ口頭できくことは時間もかかり相談者にとってストレスになる可能性があります。そのような時、可能であればアセスメントシートを相談者やそのご家族に書いてもらうこともアセスメント方法の一つです。
アセスメントシートを予め書いてもらい、それを基に話を進めていくことで聞き漏らしを防げたり、相談者のストレスを少しでも減らしてアセスメントを進めることができます。
まとめ
今回は働き始める時に知っておきたいアセスメントのポイントと方法についてお伝えしました。
色々なポイントや方法はありますが、
- 相談者が本当に何を望んでいるか知る
- 支援をするために何が必要かを知る
を大切にしようと思っていれば大丈夫です。
また、もうひとつ大切なことは
どんなにがんばっても知らないことは出てくると知っておくことです。
相談者さんも、とりまく環境も常に変わっていきます。
予想外のことや、知らかなった!!ということが出てきても、
アセスメントの時間や期間を決める、優先順位の高い所から支援を進めていくなど、
落ち着いて、ソーシャルワークしていけるといいなと思います!