MENU
なつ
ソーシャルワーカー研究員
ソーシャルワーカーとして12年目のなつです!
仕事をし始めた時に「こんなことで悩んでたなぁ」「これ先に知ってればもっと楽だったのに」なことや、仕事を通して学んだことを書いています。

育児経験がないと支援ができない⁉ソーシャルワーカーが子育てをして感じた育児環境・子どもの人権・支援で大切なこと

gypsophila
  • URLをコピーしました!
なつ

育児経験のない自分が人生経験豊富な人たちの支援ができるのか・・・

働いて間もない頃、いつも不安な気持ちで仕事をしていました。

現在、私は一歳になる子どもを育てています。実際に子どもを育ててみると、育児経験がなくても自信をもって支援をしたらいいんだと思うようになりました。
今日は、ソーシャルワーカーが子育てをして感じたことについてお伝えします!

このブログでわかること

  • 育児は環境が重要
  • 子どもの人権は社会で守っていくもの
  • 育児中の親や子どもの発達について知りたい人へおすすめの本
  • 育児経験がなくても自信をもって支援していい
目次

育児は環境が重要

なつ

産後の体、まじできつい・・・

産後は下半身交通事故にあったと同じくらいの衝撃+出産に伴うホルモンバランスの乱高下で体も心もズタボロ。そんな中、子どものお世話が始まります。3時間おきの授乳。母乳の場合は交代なしの連日夜勤。それが約一年。
授乳したら眠れる‼と思っても実際は授乳に45分、それからミルクを作って哺乳瓶を洗って消毒して…としていたら、あっという間に次の授乳時間になっています。というか、それまでに赤ちゃんが泣きだしていたら寝る暇がない。

わたしが出産したのはコロナ渦。赤ちゃん教室、子育てサロンなど中止が相次ぎ、家族以外の人と交流する機会がほとんどありませんでした。赤ちゃんが少し大きくなって外出できるようになってもコロナが心配で外に出られない。

誰とも話せないストレス、これまでは毎日働いていたのに今は社会とのつながりが途絶えた孤独感、うつうつとした日々
そんな中子どもは寝ない、泣く、ぐずる。これまで、自分の性格はわりと楽観的で、育児ノイローゼになるタイプではないと思っていました。ですが、寝不足+24時間育児+自分のペースで動けない+自分の時間ゼロという状況では、メンタルやられます育児ノイローゼ、産後うつは、自分の性格だけが要因ではなくて、環境が作りだすものであると実感努力や根性でどうにかなるものではない。

この環境は変えて行かないとまずいと思い、少しずつ変えていきました。

  • 寝不足の時は家族に子どもの世話を積極的に頼む
  • ごはんは総菜を買う
  • お風呂は一人で入る など

体を休めたり、家事の手を抜いたり、自分の時間を少しでも持つようにしました。そして、コロナが少し落ち着いた頃復活した子育てサロンに直行。ドキドキしながらママ友を作ってみました。家族以外の人と他愛のない会話が新鮮。すごく楽しい。子どもの気になることも共有できる安心感。自分が休める環境、他者との関わりが持てる環境を作っていくと、うつうつとした気持ちは和らいでいき、前向きな気持ちも出てきました

育児をする上で、環境が整っていることはとても重要だと感じた体験でした。

子どもの人権は社会が守っていくもの

なつ

子どもって、思っている以上に大人の保護が必要‼

わたしは初めて自分の子どもを抱いた時、こんなに小さくて、ふにゃふにゃで、どう見てもお世話をしないと死んでしまう存在があるのかとびっくりしました。
赤ちゃんは生まれて数か月間は視界がぼやけている、寝返りできない、立てない、歩けない、っていうか首が座ってない。言葉が話せない、状況が理解できない、昨日のことを覚えていない、自分でごはんが食べられない。何を食べていいかわからない。嫌なことがあったら泣く、ぐずる、体調を崩す。これくらいしかSOSが出せない。もう少し大きくなったとしても、子どもは自分の気持ちを言葉で適切に説明することが難しい。知識も経験もとても少ない。自分で自分を守ることができない。生きていく上で色んなハンディだらけ。脳も体も未発達で、成人するまで約20年かかる。

なつ

全部当たり前のことでそりゃぁもちろん知っていました

が、実際に子どもをもつとあまりにかよわい存在であることにただただびっくり。もちろん子どもは毎日できることが少しずつ増えていきますが、社会で自立して生きていくにはまだまだ道のりは長い。だから、子どもがその子のペースで成長するためには、大人が子どもを守っていかないといけない。でも、子どもを守るのは、親だけががんばればいいのでしょうか。

子どもは家の中だけではなく、保育園、幼稚園、学校、地域、色んな所で生活しています。子どもが成長するためには、親以外の色んな人と関わり、色んな経験を積むことが必要です。自分で自分のことを守るにはたくさんの時間が必要な子どもたち。社会全体で子どもを守っていく必要があると思いました。

育児中の親や子どもの発達について知りたい人へおすすめの本

ここでは、育児中の親のことや、子どもの発達について勉強になった本を2冊ご紹介します。

子どもへのまなざし 著者:佐々木正美

とても分厚い本ですが、児童精神科医佐々木先生の優しい語り口調で書かれているので、思ったよりあっという間に読めます。この本、「続・子どもへのまなざし」、「完・子どもへのまなざし」という3冊セットになっていて、「続」は保育士さんや親からのQ&A、「完」は自閉症や発達障がいを持つ子どもへのサポートについて書かれています。

印象に残った言葉

・人間というのは、人づきあいが少なくなればなるほど、(中略)不安が強くなり、いら

 だちが強くなり、疲れやすくなるということがどうもあるようです。

・人間関係が豊かな人ほど、健康状態がいいし、育児にいらだちを感じにくい。


・孤独ということは、人間にとってはそれ自体、存在の根源をゆるがされること


・相互関係を思って生きることが必要


・育児が下手な親というのは、ほとんどが孤独


・親にたくさん手をかけさせる赤ちゃんは、順調な発達のなかにいる


・教育とは育てるということは、私は待つことだと思うのです。「ゆっくり待っていて

 あげるから、心配しなくていいよ」というメッセージを相手にどう伝えてあげるか

一言一言が優しくて、かつ経験と学問に基づいて書かれていて、学びの多い一冊です。育児と、子どもの発達過程、発達障がいの特性について丁寧に書かれていますので、児童・発達障がいのある方に関わるソーシャルワーカーさんには特におすすめです!

ママたちが非常事態!?: 最新科学で読み解くニッポンの子育て 著者:NHKスペシャル取材班

NHKで放送された番組が書籍になったものです。子どもがなぜ夜泣きをするのか、人見知りをするのか、育児をすることで養育者の脳はどうなるのか、科学を駆使して証明されています。精神論ではなく、事実をわかりやすく教えてくれるので、「??」が「!!」に変わります。

興味をそそる目次

・ママの脳は出産すると変わる

・なぜ孤独と不安を感じるの?理由は人類進化に


・わが子をかわいく思えないのはなぜ?母性の不思議

この他にもイヤイヤ期、子育てをするパパの変化についても書かれています。この知識を知っていると、子育てで辛いと感じることも「子どもが成長している証拠」と前向きに考えられるようになると思います。3歳くらいまでの子どもやその親、その子どもと関わる社会資源(保育園など)の支援をしているソーシャルワーカーさんにおすすめです。

育児経験がなくても自信をもって支援していい!

なつ

妊娠出産でわたしが受けた支援

その①母子手帳の交付
妊娠がわかり、役所に母子手帳をもらいに行きました。その時、若い職員さんが母子手帳のこと、今後地域で受けられるサービスのことを説明してくれました。仕事なので当たり前っちゃ当たり前ですが、年上の私に身構えるでもなく、上から目線でもなく、笑顔で話をしてくれました。

その②助産師さんによる育児アドバイス
出産後、産院にて。若い助産師さんが赤ちゃんの抱っこの仕方、授乳の仕方、服の着せ方、おむつの変え方、沐浴の仕方など、お世話の仕方をたくさん教えてくれました。当然ですが、私より赤ちゃんの扱いになれている。不安なことは最後まで話を聞いて、丁寧に教えてくれました。

初めは若いけど大丈夫かな?と思いましたが、実際はこの3つが揃うと年齢は関係なく、安心して頼ることができました。

安心して話ができる3つのポイント

・穏やかな表情
・落ち着いて話を聞いてくれる
・自分に必要な情報を与えてくれる

むしろ、40代くらいのいつもあたふたしていて、他の看護師さんの目を気にして動いている助産師さんの方が心配でした。
この経験から、育児経験もない自分が支援できるのだろうか、自分でいいのだろうか・・・という悩みが解消されました。

この経験から気づいたこと

・ソーシャルワーカーが穏やかな状態で関わることは相手の安らぎになる。 
 そうならない場合は、それほど深刻な状況だったり、それを好意的にとらえられない背景があると考えてみる。


・真剣に話を聞く姿勢は相手に伝わる。逆に、真剣に話を聞いていなかったらすぐに伝わる


・仕事上知っている情報、これまで学んできた知識は自信をもって伝えるといい。 
 もし相手に「知っている」と言われたら、それでいい。

さいごに

若い頃、自分は結婚したことないし、子育てしたことないし、人生経験少ないし・・・と自分の足りない所ばかりが目について、そんな自分が支援していいのかと思っていました。

でも、相談する立場としては、

・話を聞いてほしい

・情報を教えてほしい


・自分で色々勉強していて知識はもっていても「実際はどうなっているのか知りたい」「他の人がどうしているのか知りたい」「自分の場合はどうなのか、客観的な意見がほしい

と思っていることがほとんどだと思います。

今いる現場で、実際にどんな人がどんな事に困っているのか、どんな支援を必要としているのか、どんな支援が本当に役立っているのか、それを知っているのは現場で働くソーシャルワーカーです。ですので、年齢関係なく、自信をもって支援をしたらいいと思います。

自信をもつことは、威張ることでも、相手を見下すことでも、勉強しなくなることでもありません。(←Twitterのフォロワーさんが言っていた言葉‼)まずは相手の話をよく聞いて、必要だと思うことを発信していくといいのかなと、支援される立場になって感じました。今回の記事が少しでもお役に立てればうれしいです(*^^*)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次